研修報告書

理工学群数学類2年 大河内悠斗

1. ビシュケクに関して

キルギスの首都であるビシュケクは非常に整然としており、商業施設も多く中央アジアで二番目に貧しいと言われる国の街とは思えなかった。

  • ビシュケクの道、移動

ビシュケク、特に市役所や大学が集中している劇場近くのマナス像周りでは花壇と噴水が設置された道があり、この近くの他の歩道に関してもがたつきがなく広々としていた。また、バス停が多く一律20ソム(37円)で乗車できることに加えて5分〜10分間隔でバスが来るので多くの人が利用していた。自分が移動するときは基本的に徒歩で移動していたが、街の区画が入り組んでおらず京都の街と同じく碁盤の目のようになっているので、たいして曲がることもなくほとんど一本道で移動することができた、例えば劇場近くのマナス像からアジアンモールという大きなモールまでは一本道であるし、同じマナス像からオシュバザールまでも一本道で行くことができた。

 

 

 

 

 

 

  • ビシュケクの公園

ビシュケクには公園が多くどれも整備されていたが、レーニン像のあるOak公園は特によく整備されていた。この公園の近くにはレーニン像だけでなく美術館や、マルクス・エンゲルス像、裁判所、政府庁舎といったように歴史的・公的な施設が集中しているため、景観を損ねないためによく整備されていたのだと思う。しかしながら、公園の中では子どもたちが自分たちだけで大きな自転車を運転していたり、服や雑貨のフリーマーケット、絵画展が行われていたりと市民たちが自由に使える空間でもあった。厳かさも保ちながらあれだけ自由に市民が利用できる場所が日本にもあるだろうかと考えたが自身の無知からか思い浮かばなかった。また、絵画展は道に絵画が並べられているのだが値札のついているものもそうでないものも混在しており、撮影禁止の看板や取り締まる人も見当たらないばかりか、道に並べられているだけで店主のような人もいないので非常に無防備に置かれていた、しかしながら誰かが盗んだというような話も聞かなかったので治安が良かったのだと思う。公園ではベビーカーを置いてベンチで寝ている人も見かけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • ビシュケクのショッピングモール

ビシュケク市内にはビシュケクパルク、アジアンモール、ツム、グムという4つの大きなショッピングモールがあり、どのモールも広く、店舗数も多く、大勢の人で賑わっていた。モールの上の階にはフードコートが設置されているが、上に挙げたすべてのモールのフードコートにはK F Cと寿司を扱う店舗が入っていた。また、アジアンモールとツム、グムにはオタクショップが入っており多種多様な日本のアニメグッズが販売されていた。ビシュケクパルクの最上階はゲームセンターになっておりV R体験やビリヤード、ボーリングなど幅広い遊びを体験することができた。

 

 

 

 

 

 

2. 飲酒に関して

キルギスではイスラム教が信仰されていると聞いていたが、スーパーやマガジーンでは酒類が日本の店と同じように販売されており、カフェでも当然のように注文することができた。

  • ウォッカ

キルギスで初めてウォッカを飲んだ、付け加えると自分にとって初の飲酒がキルギスで飲んだウォッカであった。ウォッカはマガジーンでよく見かける酒類の一つでもあり、日本よりも身近なものであると感じた。自分が飲んだものはアルコール度数が38%だったので、美味しいかそうでないかというよりもむしろアルコールの風味が強すぎるという印象であった。自分はビシュケクでウォッカを2回飲んだが両方とも一緒にプログラムに参加した日本人と飲んだ、あれだけアルコール度数の高い酒類を飲む際は一人を避けた方がいいということを学んだ。

  • ビール

自分はビールを飲んだのもキルギスで飲んだものが初めてであるが、ビールという酒は自分の研修に大きな影響を与えた酒でもある。初めてビールを飲んだのは「ふるさと」という和食屋で飲んだキルギスの現地ビールであったが、アルコール度数が11%とビールにしては高めであり、アルコールと苦味が強くあまり良い印象は抱かなかった。しかしながら、ホームステイ先でホストマザーに注いでいただいたビールが非常に飲みやすく、フルーティーで炭酸も程よい強さであった。さらに、その日の夕飯が牛レバーだったせいもあってか、初めて美味しくビールを飲むことができた。そして、自分とホストマザー、ホストファザーにお酒が回ると3人とも楽しく会話をすることができ、親睦を深めることもできた。但し、ビールで失敗してしまうことがあった。ビシュケクから離れた湖のほとりで1泊2日のアクティビティに参加した際、1日目の夜から2日目の朝までビールを水のように飲んでしまい、せっかくの湖でのアクティビティを二日酔いと船酔いに悩まされながら過ごすことになってしまった。自分の飲酒の許容量を知るとともに、アルコールの利用は計画的にするべきだという教訓も知ることになった。

 

3. 研修を通じて

自分は現在、2年生であるが1年生の頃は一人暮らしと大学での生活に慣れるため、そしてなにより大学数学の困難さから、家事や勉強に時間だけでなく多くの資源を投入する必要があったので、あまり人と一緒に外食に行く、何時間も他愛のない話をするなどの機会が全くと言っていいほどなかったが、キルギスで日本人学生、現地の学生、ホストファミリーとの交流を通じて人といることの楽しさとお酒の美味しさを知ることができた、帰国してから2週間近く経つが些細なことでキルギスでの日々が昨日のことのように思い出される日々を送っている、特に帰国してスーツケースの中の荷物を整理する際は服の1枚1枚を取り出すたびに楽しさが思い起こされて非常に辛かった。1ヶ月海外に滞在すること自体が貴重な経験であるし、キルギスという日本では(残念ながら)あまり知られていない国、しかもロシア語圏の国で生活できたことは自分自身にとって非常に有益な体験であったと考えている。