「日本財団 中央アジア・日本人材育成プロジェクト」
筑波大学は、2019年1月、公益財団法人日本財団の助成を受け、「日本財団 中央アジア・日本人材育成プロジェクト」を開始しました。
同事業は、日本財団、JACAFA財団(以下、JACAFA)、筑波大学の三者が協力・連携し、中央アジア地域(※)の「持続可能な開発目標Sustainable Development Goals」(以下、SDGs)の達成と当該地域社会の課題解決に貢献できる人材を育成することを目的としています。
事業の背景
筑波大学は、2000年以降、中央アジア地域との教育・学術交流に積極的に取り組んできました。中央アジア地域の18の大学と大学間交流協定を締結し、近年では年間50名以上の留学生を受け入れるなど、日本随一の交流規模となっています。さらに2014年度から開始した文部科学省補助金事業(「大学の世界展開力強化事業・ロシア」)の「ロシア語圏諸国を対象とした産業界で活躍できるマルチリンガル人材育成プログラム」(2014〜2018年度)では、中央アジア地域を含むロシア語圏諸国との交流事業を展開し、留学生対象の日本企業インターンシップや、日本人学生対象の海外研修、海外インターンシップなどを中心とした人材養成教育システムを構築しました(同事業は、文部科学省による中間評価(2017年発表)において、最高評価の「S」を獲得しています)。
一方、JACAFAは、日本財団の支援を受け、2004年より中央アジア地域6カ国からトルコへ留学する優秀な学生300名以上に対する奨学金支給事業を行ってきました。2016年以降は奨学金事業を停止し、同窓生ネットワークの活動を中心に事業を推進し、新たに日本との交流事業も積極的に推進しています。
日本財団、JACAFA、筑波大学は、日本財団・JACAFA共催「日本・中央アジア交流フォーラム」への筑波大学学生・教員の参加(2017年6月、2018年7月)、JACAFA日本研修プログラムによる筑波大学への訪問およびラウンドテーブルの実施(2018年7月)、日本財団・JACAFA共催国際会議「Sustainable Rural Development in Kyrgyzstan」への筑波大学学生グループの参加など、これまで密接な協力・連携を図ってきました。
本助成事業を開始することにより、三者それぞれが持っているネットワークやノウハウ、活動基盤を融合させながら、これからの中央アジア地域の発展と繁栄を担う新しい人材群を輩出し、同地域と日本をつなぐ一大人材ネットワークの構築を目指します。
事業展開
同事業は、①日本財団・JACAFA・筑波大同窓生ネットワーク連携活動、②教育・研究活動、③基盤構築活動の三つを軸として展開します。
① 日本財団・JACAFA・筑波大同窓生ネットワーク連携活動
JACAFAが既に有する300名以上のトルコ留学経験者による同窓生ネットワークに加え、中央アジアから本学への留学経験者および本事業で今後支援する中央アジアからの留学生が連携することにより、中央アジア地域の社会課題解決に資する有機的なネットワークを築きます。
▽活動内容
- JACAFA日本研修プログラム(筑波大学での3日間程度のプログラムの実施)
- JACAFA総会およびJACAFA国際会議への中央アジア留学生の派遣(中央アジア地域で開催)
- 「日本・中央アジア交流フォーラム」の共同開催(日本で開催)
② 教育・研究活動
中央アジア・日本の双方向の教育・研究交流を通じて、人材育成を目指します。具体的には、留学生を対象とした日本企業・NPO等でのインターンシップ、日本人学生を対象とした中央アジアへの短期派遣プログラム等を実施します。なお、本学大学院修士課程に入学する優秀な学生に対しては、「日本財団中央アジアフェローシップ」として奨学金が支給されます。
▽活動内容
- 中央アジア留学生の筑波大学への受入(正規課程学生に対する奨学金・渡航費の支給/日本企業・NPO等でのインターンシップ)
- 日本人学生の中央アジア地域への派遣(海外インターンシップ、海外プロジェクト研修、語学研修、医療視察研修等)
- 中央アジア留学生および日本人学生共通の教育活動(大学院科目「中央ユーラシアSDGs演習」/学部科目「中央ユーラシアとSDGs」等)
- 中央アジア地域に係る研究活動(国際学会への参加/論集出版/国際会議・シンポジウム・ラウンドテーブルの開催等)
③ 基盤構築活動
中央アジアに関係する国内外のネットワークを強化するとともに、公開シンポジウム等を通じて教育・研究成果の日本社会や世界に対する還元を目指します。
▽活動内容
- 中央アジア地域関連大学とのネットワーク構築(中央アジア地域の大学との交流推進/国内大学と中央アジア地域の交流支援・拡大)
- 広報活動(パンフレット・ニューズレター・報告書の配布/ウェブサイト・SNSを通じた情報発信)
- SDGsに係る公開講演会・シンポジウムの開催
- 外部評価委員会の実施
問合せ先
本事業全般に関して
筑波大学「日本財団 中央アジア・日本人材育成プロジェクト」事務室
(兼・大学の世界展開力強化事業(ロシア)「ロシア語圏諸国を対象とした産業界で活躍できるマルチリンガル人材育成プログラム」運営事務室)
TEL: 029-853-4251
E-mail: info[at]genis.jinsha.tsukuba.ac.jp ( [at]を@に変えてお問い合わせください。)
URL: https://centralasia.jinsha.tsukuba.ac.jp/
大学院入試に関して
Special Program in Japanese and Eurasian Studies 事務室
TEL: 029-853-6698
E-mail: spca-info[at]ml.cc.tsukuba.ac.jp ( [at]を@に変えてお問い合わせください。)
URL: http://www.chiiki.tsukuba.ac.jp/spca.html
※本事業における「中央アジア地域」はアゼルバイジャン、ウズベキスタン、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタンに加え、2024年度よりジョージアを含む7か国を指します。