2025年5月22日(木)、アザディ世界言語大学の要請により、トルクメニスタン人文開発大学での日本語教育経験を持つ日髙晋介特任准教授による特別セミナー「トルクメン語・日本語の対照と日本語教育への応用―必要性を表す文法形式に焦点を当てて―」がオンラインで開催されました。アザディ世界言語大学の教員5名、学生15名、計20名が参加しました。
本セミナーでは、トルクメン語における必要性を表す2つの文法形式―V-mAlI と V-mAk(lIk) gerek―と日本語の「~なくてはいけない」「~必要がある」「~にちがいない」「~はずだ」との対応を対照的に考察しました。特に、V-mAlIは過去時制の接続を許容し蓋然性も表せる一方、V-mAk(lIk) gerekは過去時制が接続できず、蓋然性を表せないという調査結果が示されました。
この対照分析により、日本語教育における指導方針として、必要性の表現はV-mAlIとV-mAk(lIk) gerekの両形式が対応可能であるが、蓋然性の表現(「~にちがいない」「~はずだ」)にはV-mAlIのみが対応することを明らかにしました。
本成果は、トルクメン語母語話者向け日本語教材の精緻化に大きく貢献するものであり、文法説明の正確性に寄与する知見を提供しました。