2021年8月2日(月)、第28回公開講演会シリーズ「中央ユーラシアと日本の未来」を開催しました。今回は、近畿大学 グローバルエデュケーションセンター 特任講師の松下聖氏を講師にお招きし、「大学のグローバル人材育成事業を成功に導くために-実務者の観点から考えるプロジェクト運営の方法論-」と題する講演をしていただきました。
松下先生は、筑波大学・同大学院でロシア語・キルギス語の習得とキルギス文学作品の文体論的研究を行われ、IT系企業でのシステムエンジニア、企業コンサルタントとしてのご勤務を経た後、筑波大学勤務を経て、現在は近畿大学でのプロジェクト企画・組織・運営に携わられています。今回のご講演は、期限内に一定の成果を上げなければならない「プロジェクト」の運営に携わられた実務的な経験に基づいて、プロジェクトとは何かという基本的な説明から実際のプロジェクト運営の具体例まで、個人ワークも交えつつお話ししていただきました。
先生は、大学でのプロジェクトに携わる中で、KKJ(経験、勘、人徳)の3つがプロジェクト成功に必要だと説かれます。しかし、この3つをまだ備えていない段階においても、プロジェクトに携わり、その成功へ導くことが求められる場面が来ることがあります。その時、どのようなテクニックを持っていれば「新規性」と「有期性」を持ち合わせるプロジェクト成功の再現性が上がるか、といった観点から講演は進んでいきました。
プロジェクトマネジメントには「立ち上げ」、「計画」、「実行」、「終結」、そしてこれら全てに関わっている「監視・コントロール」という、5つのフェーズがあります。ブレインストーミングやKJ法など、やったことのある方も多そうな方法から、WBS(Work Breakdown Structure)を書きだすことなど、聞き慣れない、しかしプロジェクトをスムーズに行う上で不可欠なプロセスまで、各フェーズで確実な仕事をするために求められる重要なテクニックをお話しいただきました。さらに、オンラインによる教育やプロジェクトが推進される今に必要な、業務の効率化のための最新のITテクノロジーの動向についても、「クラウドコラボレーション」「自動化」「ノーコード」という3つのキーワードを挙げて説明されました。
質疑応答の時間には、実際にプロジェクトを運営してきた学内外の方々から、実務者目線での鋭い質問やコメントが多く飛び出し、お話しされたテクニックをいかにして臨機応変に現場で活用するかを考える、素晴らしい機会となりました。
この講演会の模様は令和3年8月5日~令和3年8月15日までmanabaにて動画配信されました。