2022年2月21日(月)、第6回 Special Lecture and Discussion “Central Eurasian Studies in East Asia and Beyond”を開催いたしました。
今回はDr. Rustamjon Urinboyev (Lund University) と Dr. Sherzod Eraliev (University of Helsinki) をお迎えし、中央ユーラシアの移民問題に焦点を当てたラウンドテーブルを開催しました。

このラウンドテーブルは、Zoomを介してオンラインで行われ、一般にも公開されました。このイベントは、この分野の最も顕著な知見や研究調査に焦点を当てることを目的とした複数のセミナーで構成されています。

Urinboyev氏はまず、スウェーデン在住である中央アジア研究者としての自身の経歴や、Palgrave Macmillan社から出版予定の移民に関する著書(Eraliev氏との共著)について簡単に述べ、次に、既存の移民制度に関する文献を紹介しました。講演の中でUrinboyev氏は、西洋以外の主な移民先は、それらの比較や理論に関する議論を行う上では、まだ標本として不十分であることを強調しました。Urinboyev氏は、Eraliev氏との新しい研究である、ロシアとトルコにおける中央アジアからの移民の歴史の比較を行うことで、この空白を埋めることができると述べられました。

続いて、移民のジェンダーによる視点の違いに関するEraliev氏の講演が行われました。Eraliev氏は、中央アジアの文化の特殊性が女性移民と移民先の住民との乖離を生じさせていることについて論じました。Eraliev氏の調査結果によると、女性の移民は通常、夫に同行する妻、離婚した女性またはシングルマザー、夫が家に残っているか他国に移民している女性、教育移民という4つのカテゴリーに分類されるとのことです。ジェンダー構成は移民の労働市場構造を反映しており、人種差別や虐待(同じ移民から受けるものも含む)が依然として蔓延っていることが強調されました。

ラウンドテーブルには、NipCAフェロー第2期生のManizha Rajabova氏とAizhan Mukhamejanova氏が討論者として参加し、中央アジアの移民問題に関する研究プロジェクトの成果をもとに、講演の内容について考察しました。

質疑応答では、データ収集の過程で直面した問題や、出版予定の書籍の理論的な貢献などについて、多くの質問が寄せられました。

次回、本講演会シリーズ Special Lecture and Discussion “Central Eurasian Studies in East Asia and Beyond”の第7回は、4月25日(月)午後12時15分(東京)より開催予定です。

本講演会の様子は、以下のYoutubeチャンネルで公開されています。
https://www.youtube.com/channel/UCtgSe6atrw84WOQTyo4iUkA