筑波大学国際公共政策博士後期課程の学生であり、NipCAフェローでもあるダヴロノヴァ・ファランギスさんが、国連安全保障理事会決議第1325号「女性・平和・安全保障(WPS)」25周年記念のハイレベルイベントに、参加者および講演者として出席しました。この会議は、2025年10月22日(水)にオーストリア・ウィーンの歴史あるホーフブルク宮殿で開催され、その後、2日間にわたる同窓会が行われました。

この集まりは、女性の平和構築における不可欠な役割を認めた画期的な枠組みである、国連安全保障理事会決議第1325号「女性・平和・安全保障(WPS)」の採択25周年を記念して行われました。イベントには、54の欧州安全保障協力機構(OSCE)加盟国から、大使、女性の平和構築者、外交官、研究者が、「より平和的で包括的な世界のために女性のリーダーシップを推進する」という共通のビジョンのもとに集まりました。このイベントは、参加者が意義ある振り返りや協働、戦略立案に取り組む場となり、女性リーダーたちが再びつながるとともに、女性平和リーダーシッププログラム(WPLP)ネットワークの未来を共に描く機会となりました。

3つのテーマ別パネルでは、「女性・平和・安全保障(WPS)」議題の主要な側面が議論されました。

  • 第1パネル「女性・平和・安全保障議題の歩み:何が効果的か?」では、効果的な取り組みを検証し、今後の進展に向けた具体的な提言がまとめられました。
  • 第2パネル「女性と気候:行動への呼びかけ」では、女性・気候・安全保障の関係に焦点を当て、気候関連の意思決定への女性の参画の重要性が強調されました。
  • 最終パネル「WPS推進のためのOSCEのツール」では、協働的かつ包摂的なアプローチを通じて、平和プロセスにおける女性の実質的な関与を強化する方法が探求されました。

オープニングパネルセッションでは、ノルウェー大使スヴェンセン・エレン氏の司会のもと、ファランギスさんは著名な平和リーダーや外交官と共にパネルスピーカーとして参加し、WPS議題の進展と、その多様な状況での実施について振り返りました。ファランギスさんは、ジャーナリストおよび研究者としての経験に基づき、「女性のリーダーシップへの投資は任意ではなく、不可欠である」と強調しました。彼女のスピーチでは、平和構築プロセスをより可視化し、身近で包摂的にするうえで、メディア、ストーリーテリング、学術の役割が強調されました。「平和は単に会議の場で交渉されるものではなく、地域社会でリーダーシップを発揮し、組織し、変化を生み出す女性たちによって日々築かれるものであり、そうした物語を伝えることが非常に重要です」と彼女は語りました。彼女の発言は、参加者同士に、コミュニケーションや共感、可視化が、平和構築を社会全体の共有された責任に変える方法について、活発な対話を促しました。

OSCE女性平和リーダーシッププログラムについて

女性平和リーダーシッププログラムは、平和構築者や仲介者を含む女性リーダーのOSCEネットワーキングプラットフォームの重要なイニシアティブの一つです。このプログラムの目的は、あらゆるレベルで平和プロセスに対して意味のある形で関与し、影響を与える女性の能力を強化することです。

2023~2024年、ファランギスさんは、OSCE地域およびアフガニスタン全体から選ばれたわずか16名の優れた女性の一人として、このプログラムの第2回に参加しました。1年間にわたるフェローシップを通じて、リーダーシップ、仲介、対話促進、紛争解決、ジェンダーに配慮した平和構築に関する高度な研修を受けるとともに、ヨーロッパ、米国、中央アジアの女性リーダーとのプロフェッショナルネットワークを広げました。

ファランギスさんのWPLPでの体験やストーリーについては、こちらをご覧ください。