海外医療視察研修体験記 カザフスタンでの医療視察研修について

                 筑波大学医学群看護学類3年 田﨑 彩名

カザフスタンのアルマトイに到着してすぐ、私たちは2階建てのゴージャスな大型バスに迎えられた。バスの運転手の操縦は決して丁寧とは言えなかったが、バスの2階席から見る異国の景色はとても新鮮で、少し危なっかしい運転さえも楽しめるほど愉快な気分で宿泊する寮へと向かった。トイレットペーパーが流せなかったりシャワーの使い方が難しかったりしたが、いちいち驚いたり戸惑ったりしながらも楽しんで過ごしたのはいまとなれば良い思い出である。

アルマトイにある大学の医学部の施設では日本では見られないようなものをたくさん見学させていただいた。例えば、奇形胎児や臓器のホルマリン漬けや医学生による人体解剖の様子などである。日本ではなかなか見ることができないものであったためとても興味深かった。また、看護学校での視察やディスカッションでもたくさんの質問や意見がもらえて学びになったとともに何人かの学生とSNSでつながれたことで友達になれたことがうれしかった。

研修の中で様々な大学や施設を訪れたが、それぞれの場所でたくさんの“おもてなし”を受けた。カザフスタンで有名なチョコレートやフルーツ、伝統料理などが並べられ、紅茶やコーヒーなどとともにもてなしてくれた。カザフスタンの人々の温かい人柄と私たちを歓迎してくれる広い心、興味関心を示して話しかけてくれるフレンドリーさに心を打たれた。

 

 

 

 

 

研修5日目からは首都アスタナで視察を行った。ホテルに滞在し、毎朝マフィンやソーセージなどがあるビュッフェを堪能しながら優雅な朝を迎えられた。心身ともに余裕が出てきた私たちは、国内最高峰の大学といえるナザルバエフ大学の視察を行い設備や教育支援が充実度に感激しつつ、教会やタワーなどの観光地も巡った。教育機関の視察では実践を意識したシミュレーターの多さに驚かされたし、カザフスタンの華やかな文化にも触れることができてとても有意義な時間を過ごした。

 

 

 

 

 

 

医学群生の中で“カザフスタンの医療視察研修”と聞いてどんなものかイメージできる人は少ないだろう。実際私もその一人であったが、自分のなかでイメージが大きくない国に実際に行ってみるとたくさんの気づきがある。少子高齢化が進む日本と違ってカザフスタンは比較的新しい国で、若者や国としての成長のエネルギーを感じられる国である。大学生の春休みに新鮮な地でたくさんの新しいエネルギーに触れてみるのも良いのではないだろうか。