ラヒモフ マンスルベク
北海道研修の3日目、私たちはニセコ高校を訪れ、ニセコ町の国際コーディネーターの皆さんと交流する機会を持つことができました。彼らの洞察に満ちたプレゼンテーションにより、この北海道の小さな町が、観光、開発、持続可能性といった複雑な問題をどのように乗り越えているのか、深く理解することができました。
美しい自然と活気ある観光産業で知られるニセコ町は、人口5,000人強の町です。ニセコが特にユニークなのは、人口のかなりの部分を占めるようになった外国人長期滞在者のコミュニティが急速に拡大していることです。中国、イギリス、オーストラリア、インドネシアなど44カ国から集まった人々が暮らすニセコは、グローバルな多様性の縮図です。
コーディネーターの皆さんは、ニセコの主要産業である農業と観光、そして町の成長と環境保全の両立に向けた取り組みを紹介してくれました。急速に成長する観光地として、ニセコは二酸化炭素排出、環境悪化、自然景観と水資源の保全など、いくつかの課題に直面しています。こうした問題に対処するため、町は準都市計画制度や、水源の保護、再生可能エネルギーの促進、景観の保全などを目的とした様々な条例など、法的アなプローチを実施してきました。ニセコの持続可能性への取り組みが、この講演の重要な収穫のひとつでした。この町は、2050年までに二酸化炭素排出量ゼロを達成するという野心的な目標を掲げています。エネルギー効率の高い新庁舎、集合住宅へのソーラーパネルの設置、森林管理への地元産木材の利用といった取り組みは、ニセコがこの目標に向かって取り組んでいるほんの一例にすぎません。
プレゼンテーションの間、コーディネーターの皆さんは私たちにクイズを出してくれ、生徒たちとニセコのさまざまな面について話し合うことができました。このようなインタラクティブな時間は、楽しさの要素を加え、町のユニークな特徴や課題についての理解を深めることに役立ちました。
もうひとつ興味深いことは、公共交通機関、環境保護、人材育成を支援するための地方宿泊税の導入です。税率は宿泊費に応じて異なり、この税収は町の持続可能な開発イニシアチブにのみ使用されます。
ニセコのシンボルマークは、マスコットのアニッキーとニッキー(アカゲラを象徴)とともに、町の自然環境保護への取り組みを象徴しています。白樺とラベンダーもニセコの重要なシンボルであり、その静謐な美しさと農業遺産を反映しています。
ニセコ町は単なる観光地ではなく、持続可能性への強いコミットメントを継続しながら、小さなコミュニティがいかにして近代的な開発の課題に取り組むことができるかのモデルです。SDGs未来都市に指定されたニセコは、日本だけでなく世界の他の町や都市が後に続く道を開いています。国際コーディネーターの皆さんによる講義は、すべての住民のために持続可能で活気ある未来を確保するための町の積極的な取り組みについての貴重な洞察でした。