2023年7月6日(木)、2023年度新入生に贈る特別連続公開講演会を開催いたしました。今回もカリフォルニア大学サンディエゴ校から當作靖彦教授を講師にお招きし、「生成AI革命の時代を生き抜くために:大学時代 何を学び、何をすべきか」と題する講演をしていただきました。

言語習得理論と外国語教授法をご専門とされている當作先生は、カリフォルニア大学サンディエゴ校で言語学博士を取得され、現在も同大学のグローバル政策戦略大学院で教鞭をとっておられます。アメリカで米国ナショナルスタンダーズ理事会日本語代表などの重職を歴任され、外国語教育の分野で大変有名な當作先生ですが、文部科学省の大型採択事業である世界展開力強化事業ジーニアスプログラムやNipCAプロジェクトの外部評価委員としても、10年間近くご指導いただいています。

今回の講演では、まず當作先生ご自身のAI活用法、現在のAIにできること、AIの強みなどを具体的にご紹介いただきました。続いて、AIが社会に与えるインパクトや、AI革命時代に成功するにはどうすべきか、AIにはない人間だけが持つ力はなにか、大学での学びによってそれをいかに伸ばしていくか、といったことをお話しいただきました。

社会や仕事の形が生成AIの登場により大きく変容する昨今、AIが多くの仕事を効率化し、ときに人間の仕事を奪う一方で、新たな仕事も生まれています。人間の創造性、共感力、感情、直観、深い思考力、交渉力、リーダーシップなどを必要とする仕事はAIに奪われにくいと考えられます。重要なのはAIを使いこなす能力を身に着けること、そして、AIでは代替不可能な人間の能力を育むことで、大学を活用し、ぜひ高度な思考能力や問題を発見、分析し解決する能力を伸ばしていただきたいとのお話でした。

講演後には、プロンプトの書き方のコツや、共感力を伸ばす方法、Chat GPTは平気で嘘をつくが事実の検証はどうしたらいいか等、実践に基づく活発な質疑応答が繰り広げられ、盛会となりました。