2024322日(金)、第6回オンラインによるロシア・中央アジア映画上映会が開催されました。第6回目となる今回は、在日本ウズベキスタン共和国大使館の協力を得て、ヨルダシ・アグザモフ監督の映画『きみに夢中』(1958)を上映しました。今回の上映作品は、これまでの上映会で取り上げてきた近年製作された作品と異なる、65年も昔の作品です。しかし、ウズベキスタンでは非常に人気を博した作品で、映画に登場する歌の数々は人口に膾炙して、人々の記憶に長く留まることになりました。1950年代のウズベキスタンの様々な土地における人々の服装や街並みも確認できるという点でも興味深く、同国の文化や歴史を知る上でもたいへん興味深い作品となっています。

上映前には恒例となっている、NipCAプロジェクトのコーディネーターを務める梶山祐治UIAによる「<発見>されるウズベキスタンの歌と踊り」と題した事前解説がありました。『きみに夢中』では新作ミュージカル映画「きみに夢中」の撮影が進行中で、監督が主役を務める才能ある歌い手と踊り手の男女を求めてウズベキスタンの各地を旅して回ります。回る都市はサマルカンド、ブハラ、フェルガナと国内の重要な都市で、その先々で優れた歌い手が発見されていきます。彼らはいずれも手に職を持つ労働者で、彼らが映画の中で集結することで、ソヴィエト・ウズベキスタンの豊かで統合的な文化イメージが示されることになります。タシュケント市内のナヴォイ劇場やタシュケント駅、現在は世界遺産に登録されているサマルカンドやブハラの当時の景観も貴重な映像です。

上映会では、6回まで続いたオンラインによるロシア・中央アジア映画上映会も今回でいったん一区切りとなり、今後は新たな枠組みにより上映会を続けていくこともアナウンスされました。

NipCAプロジェクトでは今後も引き続き、中央アジアをはじめ、さまざまな地域の映画上映会を開催していきますので、今後の活動にご期待ください。