海外インターンシップ レポート【タジキスタン】
2025/2/5 - 2025/2/28

国際総合学類3年 坂岡華 

私は今回、タジキスタンにあるJICA事務所でインターンシップに参加しました。

参加決意の背景としては、三つの点があります。私はこれまでに、東南アジアのラオスをフィールドに研究していて、ラオスの少数民族に関心があります。ただ、ずっと東南アジアばかり行っていたので、中央アジアってどんな感じなのだろうと思い、調べてみましたが、中央アジアは情報が限られていました。また、同じ中央アジアの国でも、例えばウズベキスタンなら、サマルカンドなどが人気で写真など多く情報はありますが、タジキスタンは情報が少なく、気になったので、ぜひ行きたいと思いました。

また、大学では国際総合学類に所属しており国際協力活動にもともと関心がありました。そして、将来JICAへの就職を希望していたので、JICAの仕事はどんな感じなんだろう、というのもあり、参加することに決めました。

現地での生活についてですが、渡航初日にトラブルがありました。東京からドゥシャンベまで27時間程かかり、長い移動でとても疲れた上、予約していたAirbnbの宿が大失敗で、大変でした。でも、JICAの職員さんが上記中央写真のホテルを用意してくれました。JICAの職員さんは、空港に迎えに来てくれ、宿の手配も手伝ってくれたので、とても助かりました。もし自分一人で行っていたら対処できなかったと思います。

現地の生活で面白かったのは、バザールでいろいろな香辛料、パン、蜂蜜が売られているのを見られたことです。たくさん食べて気に入ったものを買って帰ってきました。

また。今回一番嬉しかったことは、食事が美味しかったことです。

滞在中、中央アジアの近隣諸国の食事が楽しめました。タジキスタン料理のほかにも、ウクライナ、ロシア、ウイグル、ジョージア、トルコ、アフガニスタンの料理も食べることができました。

次に、現地での活動についてですが、主に広報活動に従事しました。具体的には、Instagram開設やリール動画の作成です。また、様々な会議やイベントにも出席しました。あるイベントでは、私の目の前に大臣が座って、隣にはJICAの今井所長が座っていました。一国の大臣と一緒に会議に出席するようなことは、普通の大学生ならあり得ないことを経験できて嬉しかったです。また同列に国連スタッフやタジキスタンの財務官と行政官も座っていて、名刺交換やいろいろな話をすることができました。JICAタジキスタン事務所が行っている事業内容については、責任者の方からブリーフィングを受け、理解することができました。

Instagramですが、投稿内容としては、活動内容をまとめたり、ボランティアさんが活動している地域まで出張して、その活動内容を動画で撮影、イベントやストーリーで告知したりしました。

現地の言葉はわかりませんが、JICAのスタッフの方に協力してもらい動画を作成しました。

次に、私が得た経験と学びについてです。中国からの影響については、私自身もともと関心があり、現地の専門家からいろいろ話を聞くことができました。タジキスタンは、ロシアによるウクライナ侵攻があってか、中国との結びつきが強くなっているそうです。国会議事堂や政府庁舎も中国が建設をしていて、習近平主席がタジキスタンを訪問した時に、開所式を行ったそうです。国民からしたらすごい建物を中国の人が建設してくれた、ということで、中国の影響力が増しているという話でした。また、タジキスタンは水資源が豊富なため水力発電所がとても重要なのですが、水力による電力供給を補うための火力発電所の建設も中国が担っていたそうです。また、一番印象的だったことは、2025年6月に中国・中央アジアサミットが開催されるということです。中国は中央アジアとのサミットは、今回2回目になりますが、日本は中央アジアとのサミット開催はまだありません。日本が最初にサミットを開こうとした経緯もあると聞いて、個人的には日本は相当出遅れてしまっていると思いました。

また、ロシアの影響についてですが、ラオスと比べても識字率が98%、99%と高いので、旧ソ連の影響が残っていると感じました。医療に関しても、現地の医務官の話を聞くと、旧ソ連の建てた病院もあり、ある程度医療が整っているとのことでした。あとは、出稼ぎ労働者がロシアに多く行っており、ロシアから得られる賃金はタジキスタンを支えているので、すごく影響が大きいと思いました。また、上記のバレエの写真は、私が実際に見たものですが、文化的影響も大きいと思いました。個人的に印象的だったのは、バレエの写真の一番端が日本人ですが、18歳でプロのバレリーナとして一人でタジキスタンに渡って素晴らしい演技をしていることがすごく印象的で、応援しています。自分が18歳の時にその覚悟がなかったなと思います。ロシアとの関係性は希薄になったと言われていますが、現地に行って、そこまで希薄にはなっていないと思いました。

JICAの仕事についてですが、外交的な面が強いといことがわかりました。上記中央の写真は、JICAの奨学金でタジキスタンの行政官が日本に来日した事業の帰国後報告会を現したものです。このJICAの支援もあってか、タジキスタンの行政官は日本に行った経験のある人が多く、そういったつながりが外交的にも意味を持っているんじゃないかと思いました。

最後に私が感じたタジキスタンの重要性についてです。大きく三つあります。一つ目は、地理的条件で水資源や希少鉱物が豊富なので、今後資源エネルギーの点で着目されていく国だと思います。二つ目は、タジキスタンは物流ゲートのハブ地域になるので、今後交易でも益々栄えていくと思います。最後はネガティブな話になりますが、紛争の危険性についてです。隣国との関係性で若者がISISに加わったり、テロを起こしたりと、今後紛争に加担するタジク人が増えてくるのかと思います。これは重要な課題です。

今回のインターンシップを通じて感じたことは、批判的思考力を養いたいということです。今回、JICAの専門家の方に限らず、開発学の著名な先生、財界の偉い方々との会議に同席すると、例えば中国の問題の話でも、出席者の専門分野がそれぞれ違うので、違った切り口で話すと、違った結論になりました。私は、大学の教授の言うことは正しいと思っていましたが、いろいろな先生がいて、多種多様な切り口があるので、受け止めるだけでなく、それを踏まえて、自分だったらどう考えるのか、ということを、社会では求められているのだなと思いました。単純に意見を否定するのではなく、それを踏まえてどう考えるかということを、今後就職してからも大事にしていきたいと思いました。

今後タジキスタンにインターンシップとして行く人に向けてですが、まず、タジキスタンはいろいろな国のご飯が食べられて美味しくておすすめです。また、タジキスタンと日本は国民性が似ていていいかなと思いました。でも、ローカルな経験は今回あまりできなかったので、JICAに興味のある人にはいいですが、あまり興味がなくタジキスタンの国自体に興味がある人は、語学研修やホームステイの方が面白いと思いました。ただ、JICAのインターンでは、普通の大学生ではできないようなことをたくさん経験できるので、本当におすすめです。でも、いかなる時でも、宿の予約は慎重にするべきという事は学びました。

 

(レポート・資料は、2025年4月17日(木)開催の留学報告会より)