2023年5月12日(金)、第40回「中央ユーラシアと日本の未来」公開講演会を開催し、公益法人キルギス共和国日本人材開発センター(KRJC)共同所長の岩井淳武氏を講師にお招きして、「キルギスからの挑戦-カザフスタンやモンゴルと協力した高等教育分野での日本との交流促進の戦略、成果そして展望-」と題する講演をしていただきました。
岩井氏は、JICAに長年勤務され、タイやモンゴル、エジプトで国際高等教育協力を専門にご活躍されてきました。2015年には、モンゴル国が外国人に対して授ける最高の栄誉「北極星勲章」を受章されています。現在は、日・キ政府の合意に基づき1995年にキルギスの首都ビシュケクに設立された国際協力・交流機関「キルギス日本センター」で共同所長を務めていらっしゃいます。
講演では、岩井所長ご自身が現場のニーズを考え抜かれ、綿密な戦略を立て、確実な成果につなげる流れをお聞きすることができました。そして、高等教育分野でのプラットフォーム機能の成果として、以下の内容を具体的にご紹介いただきました。
1) カザフ・キルギス合同日本留学フェア(3年間で日本から58校参加)
2) 日本・キルギス教育機関間の個別面談支援(17件)
3) KRJCの支援を通じたキルギスと日本の大学との交流協定締結(7件+7件支援中)
4) KRJCと日本の大学等との交流協定締結(5件+5件協議中)
5) KRJCとキルギスの大学との交流協定締結(7件)
6) 学生インターンの受け入れ(日本人2名、キルギス人11名)
7) 学生グループ型キルギススタディツアーの受け入れ(1件+1件予定)
8) 日本の大学のアウトリーチ活動支援(4回)
9) キルギスとモンゴルの学校間交流支援(3回)
10) KRJCロシア語一ヵ月スキルアップコース(年2回、最大年800人泊)
KRJCの今後の取り組み課題は、1) さらなるニーズの吸い上げと対応、2) ロシア語1ヶ月コースを軌道に乗せる、3) 工学分野での日・キ交流の創出、4) 高校間の交流創出、5) 組織体制強化、とのお話しでした。
厚い壁にめげず、協力を得られるアクターを見つけて組織を育てて繋げ、大きな戦略のなかでまとめあげる岩井氏の圧倒的な行動力に魅了される講演会でした。