2020年8月24日(月)、公開講演会シリーズ「中央ユーラシアと日本の未来」の第12回目として、ロシア民族音楽教室「マキシム」を主宰するマキシム・クリコフ氏を講師にお招きし、「ロシアの文化的アイデンティティとしての楽器『バラライカ』」と題する講演をしていただきました。

クリコフ氏は2003年、サンクト・ペテルブルグ国立文化芸術大学を、ロシア民族楽器のオーケストラの指揮およびバラライカの専攻で卒業しています。在学中、ロシア民族音楽アンサンブルのメンバーとして、ロシア国内だけでなくヨーロッパでも公演したのち、2004年に来日して東京藝術大学で日本の伝統音楽の研究を始めました。2005年、在日留学生音楽コンクールにてバラライカで優秀賞を受賞。2011年、東京藝術大学にて音楽文化学専攻博士号取得し、同年、ロシア民族音楽舞踊アンサンブル「ガルモーシカ」を設立してからは、日本国内を中心に、ソロ演奏ならびにアンサンブルメンバーとして演奏活動を行っています。

今回の講演では、バラライカの起源からその歴史、民族バラライカと芸術バラライカの違いなどについてお話していただくだけでなく、演奏による楽曲紹介も交えていただき、オンラインイベントでありながら大いに盛り上がりました。聴講者は80名を超え、講演後の質疑応答では、バラライカの演奏を初めて聴いた方の素朴な疑問から、音楽研究者による専門的な質問まで飛び出し、クリコフ氏に丁寧に答えていただきました。

この講演会の模様は8月19日~9月13日までmanabaにて動画配信されました。