令和3年7月12日(月)、2021年度 筑波大学 オンラインによる第一回新入生に贈る特別講演会を開催いたしました。今回は、カリフォルニア大学サンディエゴ校から當作靖彦教授を講師にお招きし、「ウィズコロナ、アフターコロナ時代をたくましく生きるために -大学時代に学ぶべきこと、考えるべきこと-」と題する講演をしていただきました。

言語習得論、外国語教授法をご専門とされている當作先生は、カリフォルニア大学サンディエゴ校の日本語プログラムディレクター、また同校環太平洋国際関係大学院の外国語プログラムディレクターを務められております。今回のご講演では、今がどのような時代であるかについて、破壊的創造という言葉をキーワードに説明していただきました。特に當作先生が強調されていたのが、そうした時代の中で大学が果たす役割とは何か、人が生きていくのに必要な力とは何かということでした。

新入生の多くが含まれる1997年から2015年生まれの世代はジェネレーションZ、Gen Zと呼ばれ、これまでで最も多様な人間を含む世代と言われています。Gen Z世代が生きるこれからの時代は、AI技術が発達しそれらに人間の仕事が取られていくため、人間は様々な新しい仕事に就き、いくつかの新しいキャリアを形成しなければなりません。新しく創造された価値観にも、いち早くついていくことが求められます。

そのような時代の潮流の中で、大学の果たす役割とは何か。當作先生は、既存の価値観がすぐに意味を成さなくなる社会における大学の役割として、単なる知識を与える場ではなく、新しいもの・人間を創出するリソースを作ること、そして混沌とした未来を生き抜くことのできる人材を育てることを挙げられていました。それに加えて、未来を生き抜くために大学でつけるべき力についてもお話ししていただきました。それは、探求力・思考能力・コミュニケーション能力に裏打ちされた生涯学習能力、人間力です。人間ならではの創造性や、人と人とを結びつけてコミュニケーションを円滑にする共感力、そして自分の中で過去を振り返り、反省することで成長する内省力など、人間しか持てない能力を磨いて、機械に取って代わられることのない価値を得ることが、これからの混沌とした社会を生き抜く活路となります。

質疑応答の時間には、経験の共有や起業の相談など、Gen Z世代ならではの質問も飛び出し、これからの社会を生きていく上での重要な指針を示していただきました。昨年度に引き続いて今年も規定の時間を大幅に超過し、現地時間では深夜にも関わらず、遅くまで学生の質問に親身になって答えていただいた當作先生に改めて感謝申し上げます。

この講演会の模様は令和3年7月12日~令和3年7月25日までmanabaにて動画配信されました。