2021年8月20日(金)、第2回オンラインによるロシア・中央アジア映画上映会が開催されました。中央アジアの文化とSDGsへの理解を深めるため、日本で未紹介の映画に字幕をつけて紹介していく新たな企画の第二弾です。今回の上映は、事前の作品解説をZoomにて、その後、映画上映を高画質動画が視聴可能なプラットフォームULIZAにて行う形式を取りました。申込者は501名、参加者368名と、第1回に続きたくさんの方々にご参加していただきました。
第2回の上映作品はアフガニスタンの映画監督シャフルバヌ・サダトによる長編第2作目『カブールの孤児院』(2019)で、上映会開催前に同国で米軍撤退が始まり日本国内でも関連の報道が目立つようになったこともあり、この地域に関心のある多くの方にご参加していただきました。
上映前には、本上映会の企画者であるプロジェクト・コーディネーター、梶山祐治UIAから「映画で見るアフガニスタンの社会と言語─ソ連・中央アジアとの関係を通して─」と題する解説がありました。隣国であり、公用語も同じペルシャ語系統であるタジキスタンの文化が浸透していること、世界の多くの地域と同様、アフガニスタンでもインド映画が広く受け入れられている様子が紹介され、上映後のアンケートからは、複雑な歴史を持つアフガニスタンの背景を知ることができ、作品理解に役立った、アフガニスタンへの関心が高まったという意見を多くいただきました。
上映前の解説で触れられていたように、8月20日の時点では、実はシャフルバヌ・サダト監督はカブール市内に家族と留まっており、文化人であり女性である彼女の安否が非常に心配される状況でした。しかし、本上映会の直後、サダトは無事、フランス軍の護衛を受けて国外に脱出出来たことが『カブールの孤児院』のプロデューサー、カーチャ・アドマイトから発表されました。依然としてアフガニスタンでは予断を許さない状況が続いていますが、少しでもこうした問題に対して社会の関心を高めるため、NipCAプロジェクトでは上映会を継続していく予定です。