ヌルラン・キジ・アリヤ

 

 

 日本は、北海道のような素晴らしい場所で驚きを与えてくれました。私はそれほど遠くまで旅行したことがなく、これほど素晴らしい場所と理想的な天候を想像することができなかったのです。私たちのグループは、この旅行で非常に内容の濃い研修を受けました。私たちは北海道の最高のスポットを探索し、素晴らしい時間を過ごしました。

 私が感銘を受けた講義のひとつは、ポール・ハガードさんによるニセコについての講義でした。外国人が全く文化の異なる場所について、あれほど熱く語るのを見たのは初めてだったように思います。ニセコがいかに多くのものを人々に与えているか、実感することができました。彼は、パウダースノーには10%の水分が含まれていることなど、ニセコについての興味深い事実を話してくれました。ニセコが世界的に有名なスキーパラダイスとなったのは、9.11のニューヨークのテロ事件でアメリカが国境を閉ざした後、オーストラリア人がニセコを発見したことに端を発していることを知りました。ハガードさんは、プレゼンテーションの中で、ニセコ町の開発についての主な課題を取り上げました。そのひとつは、ニセコ地域が過剰な開発によって持続不可能な状態になり、環境破壊を引き起こしているということです。また、過剰な開発を抑制するための地方自治体の規制が、経済の長期的な存続に影響を与えることも懸念されています。最近の課題のほとんどは、COVID-19の影響によるもので、スタッフの不足、レストランの不足、サービス提供の不足などが挙げられます。ハガードさんは、ホテル、コンドミニアム、レストランなど、この地域の最新の開発事例を8つ以上紹介されました。プレゼンテーションによると、2019年/2020年の観光客は合わせて400万2700人で、この数字はパンデミック前の2倍であることを意味します。この事実から、ニセコのようにスマートな戦略でエリア開発を行えば、キルギスにもどれだけの観光客が訪れるのだろうかと考えさせられました。

 そこで思いついたのが、カラコルです。カラコルはキルギス東部の大都市で、イシククル湖畔から10km、テルスキー・アラートゥ山脈から5kmのところに位置しています。この街はイシククル地方の文化と歴史の中心地であり、またキルギスで最も人気のあるスキーリゾートの一つでもあります。夏にはトレッキングツアーや、登山(40km先には標高5271mの雄大なカラコル山があります)、冬にはたくさんの雪が降ります。現在、観光業はこの街の経済において重要な役割を果たしています。カラコルからそれほど遠くないところにイシククル湖があり、周辺の山々の雪の斜面にはスキーヤーやスノーボーダーが訪れます。カラコルはニセコと同様、インフラ整備や外国人投資家の誘致に大きな可能性を秘めています。キルギスは、夏場の観光客数が最も多い国だと自負しています。そういう意味で、日本とキルギスは意見交換ができるのではないかと考えます。

 ハガードさんが、北海道から飛行機で5時間以内のところに4億5千万人以上の人が住んでいるとお話されていましたが、カラコルにもそれだけの人が集まる可能性があるのではないだろうかと思いました。キルギスはカザフスタンやロシアからの観光客が多く、世界の人々にその存在をあまり知られていませんが、ヨーロッパや東アジアの国々にターゲットを絞り、戦略を練ることができます。


 この旅は、自分の国の未来を想像する上で、とても大きなインパクトを与えてくれました。北海道では、観光ビジネス、地元の中小企業、持続可能な町づくり、日本の先住民族の歴史など、多くのことを学びました。北海道は、私が必ず戻って来たいと思う場所です。