2023年10月30日(月)、NipCAプロジェクト実務副責任者である、筑波大学 人文社会系 小野 正樹 教授による、オグズハン工科大学の学生を対象とした、「多様性と日本語教育」と題する特別講義がZoomにて行われました。近年、トルクメニスタンでは日本語学習者が増加し、オグズハン工科大学は、先日、行われた日本語弁論大会での優勝者を輩出するなど、国内でも特に日本語教育が熱心な大学として知られています。

小野先生のゼミでは、トルクメニスタンからの留学生を含む11カ国の学生が在籍しています。現在、世界には80億人もの人間が暮らしており、コミュニケーションにおいて、外国語教育が果たす役割には大きなものがあります。講義では、外国人とのコミュニケーションにおいて、考える(相手の意見を聞く)、共有する(言語化する)、配慮する(導く)という3点の重要性が説明されました。たとえば、相手が待ち合わせ場所に遅れた場合、約束の時間に現れなかったことの理由を尋ね、原因を相互に確認するほか、相手の国の振る舞いを共有すること、配慮する=人間関係維持のための言語化が重要になります。小野先生からは、日本語教育にさらに力を入れるため、筑波大学内における新たな日本語教育センターが開設される展望も説明されました。

特別講義の後には、本学の国際日本研究学位プログラム博士前期課程で学ぶ、ダダエフ・エセンムラットさんによる「日本語とトルクメン語の依頼の対照研究」、オグズハン工科大学日本語講師のラチン・グルドヴァ先生による、「日本語のコロケーション」について報告がありました。今後、日本とトルクメニスタンとの関係がますます緊密になっていくことが予想されるなか、筑波大学はオグズハン工科大学との教育・研究交流にこれからも力を入れていきます。