2023年12月7日(木)、第46回「中央ユーラシアと日本の未来」公開講演会を筑波大学スチューデント・コモンズで開催しました。今回は久々に対面での講演会となり、カザフスタンからAl-Farabi Kazakh National UniversityのKYLYSHBAYEVA Bibigul氏とSEISEBAYEVA Raikha氏、 Narxoz UniversityからMAULSHARIF Mira氏をお招きし、カザフスタンの若者のアイデンティティについての講演をしていただきました。

講演会は、まずNarxoz UniversityのMAULSHARIF氏による”Youth of Post-independence Kazakhstan: Between the West and Asia.(カザフスタン独立後の若者たち-西洋とアジアの中で-)”から始まりました。MAULSHARIF氏は、まずカザフスタンの歴史と独立国家としての成り立ちを簡単に説明し、カザフスタンの文化、経済、人口統計学をもとに、カザフスタンの複雑な歴史による西洋とアジア両方の文化共存が、若者のユニークなアイデンティティを形成しているといいます。プレゼンテーションは、日常生活、音楽、宗教、教育、結婚、ボランティア活動など、カザフスタン人のアイデンティティのさまざまな側面に触れるものでした。

次に、Al-Farabi Kazakh National UniversityのKYLYSHBAYEVA氏とSEISEBAYEVA氏による、“Perception of Global and Local Identity by Kazakh Youth: Post-colonial Discourse. (カザフの若者によるグローバルとローカルのアイデンティティの認識-ポストコロニアル)”と題した講演がありました。SEISEBAYEVA氏は、今後の研究プロジェクトの主な目標として、若者のグローバリゼーションとグローカリゼーションのパターン認識であると説明、カザフスタンの発展段階とナショナル・アイデンティティの構築をめぐる主な考え方を説明してくれました。

講演の後、質疑応答が行われ、聴衆は頭脳流出問題や、海外留学中の若者がカザフスタンに帰国後に経験するかもしれないアイデンティティの危機について、幅広い質問が飛び交いました。講演者たちは、すべての質問に対して洞察に満ちた回答を提供し、日本の機関との今後のコラボレーションへの期待を表明しました。