2025年1月27日(月)、第51回「中央ユーラシアと日本の未来」公開講演会を開催しました。ドゥタール奏者の駒﨑万集氏を講師にお招きし、「ウズベキスタン・タジキスタンの音楽」と題する講演をしていただきました。

駒﨑氏は2015年に青年海外協力隊の音楽教師として派遣されたウズベキスタンのブハラ市でウズベキスタンの民族楽器ドゥタールの音色に魅了されて習い始めました。2017年日本帰国後は本格的に演奏活動を開始し、現在ではドゥタールの日本人奏者の第一人者として、ウズベキスタン、タジキスタンの大使館イベントや、各種コンサート、メディア等で演奏されています。

今回の講演は伝統的な音楽「ロハット」というドゥタールのソロ曲の生演奏から始まりました。絹弦2弦を弾いて奏でられる柔らかい音色の音楽の後には、春の到来の歌を弾き語りで披露していただきました。

駒﨑氏が在住していたブハラ市で発展した主な3種類の音楽「マヴリギ」「シャシ マコム」「ブホロチャ」を紹介いただきました。それぞれの音楽には歴史的背景や特徴があり、そのお話を伺う限りでも、ウズベキスタン・タジキスタンの音楽については一言では表せない膨大なテーマであることが伝わりました。またその音楽については、楽譜には書き残せない音の揺れや微分音が用いられており、口承で伝えられてきたものなので、現地でしか習得できないものであることが理解できました。実際にドイラと呼ばれる打楽器でお祝い事の時に女性によって演奏される「ブホロチャ」から3曲と、叩き方で音が異なるという特徴が活かされたドイラのソロを演奏してくださいました。

その他にも、ウズベキスタンで行われている一般企業に勤める人向けの音楽推奨についてのお話や、7拍子のリズムが軽快なタジキスタンの音楽の紹介、葦で作られた素朴な音色の笛の演奏も会場とオンラインの両参加者は堪能しました。

質疑応答では、楽器そのものや演奏の上達についての質問や、現地での伝統的音楽の普及や認識について、旅行者が現地で伝統的音楽を楽しむ場はあるのか等、様々な質問が寄せられ、講演会かつ演奏会は盛況のうちに終了しました。