NipCAプロジェクト教員・スタッフを中心とする筑波大学ロシア語教員一同が、2023年12月3日に京都外国語大学にて開催された日本ロシア語教育学会第3回研究集会において、学会発表を行いました。題目・発表者は以下の通りです。

題目「海外ロシア語研修・留学の新たな可能性を探る―カザフスタンとキルギスを事例として―」

発表者:臼山利信(人文社会系教授)、梶山祐治(学生部UIA、ロシア語非常勤講師)
加藤百合(人文社会系教授)、山本祐規子(人文社会系准教授)
徳田由佳子(人文社会系非常勤研究員)、光井明日香(ロシア語非常勤講師)

本報告では、筑波大学の旧ソ連諸国における協定校、海外拠点オフィス、これまで実施してきた・実施中の3つの大型プロジェクト「大学の世界展開力強化事業(ロシア)筑波大学Ge-NISプログラム」「日本留学海外拠点連携推進事業(ロシア・CIS)」「日本財団 中央アジア・日本人材育成プロジェクト(NipCA)」の説明を通して、本学がロシア語圏においてどのような研究・教育活動を行ってきたのかが紹介されました。

現在、ウクライナ戦争の余波で国内の大学がロシアへの派遣を停止しているなか、筑波大学が2014年から実施してきた、ロシア語を公用語とするカザフスタンとキルギスでの語学研修は大きな可能性を秘めています。報告では、コロナ禍以来、筑波大学でも今年、数年ぶりに実施したカザフスタンとキルギスでの研修参加者のアンケートとレポートを分析することで、ロシア語の価値の再発見、現地語の価値の発見、複数言語教育の可能性、国内学生ネットワーク形成の可能性、プラットフォーム大学を活用した留学・研修の可能性の5つの可能性が導き出されました。

NipCAプロジェクトでは今後も中央アジア地域への研修を実施するだけでなく、国内大学の派遣に協力し、同時にロシア語・現地語教育の観点からの研究成果についての発信も行っていきます。