日本でもっとも美しい場所の一つである沖縄への私たちの研修旅行は、第一にそのユニークな文化のため、第二に環境、特に海洋生物の配慮のため、そして第三に沖縄の人びとが経験した悲しみを想起させる、世界史に深い爪あとを残した歴史のために、最も記憶に残るものの一つとなることでしょう。私たちは短いツアーの間に、沖縄で持続可能な開発目標を実行している複数の団体と観光地を訪問しました。観光地は私に大きな印象を与え、母国を思い出すことになりました。
1945年3月、沖縄はもっとも多くの血が流れた戦いのひとつを経験しました。歴史上、「沖縄の戦い」または「鉄の暴風」として知られているものです。その戦いで、沖縄は家、道路、文化遺産といったほとんどすべてのものが破壊され、25万人以上の命が犠牲となりました。最終戦は6月に摩(ま)文(ぶ)仁(に)の丘で行われ、現在は「平和記念公園」という名の記念公園となっています。公園は第二次世界大戦時の人々の悲しみを思い起こさせるものとして作られた一方、沖縄の暗い歴史と対照を成す平和を象徴しています。
平和記念公園には、国の悲劇を想起させるいくつかの特別なエリアが含まれています。そのうちのひとつが平和の礎(いしじ)で、民間人、日本兵、外国人兵士を含む、戦没者の名が刻まれた118基の石で構成されています。
平和の礎のデザインは、鋼鉄の嵐の押し寄せる波が海に向かって永遠につづく平和の波に変化するさまを示しています。平和の礎石の反対側には平和の広場がありプラザが設立され、その中央心には「平和の火」が設置されています。
平和の火は、日本の異なる地域から取られた三つの異なる火をひとつにしたものです。ひとつは、沖縄で初めて米軍が上陸した阿嘉島（あかじま）から、他のふたつは、核爆弾が投下された広島と長崎からからとられた火です。
この公園にあるもうひとつ非常に重要な場所が、平和記念資料館です。この資料館では、個々の戦闘、戦争から学んだ教訓、世界平和と静けさを確立する必要性について、情報を共有しています。
平和記念公園を歩いている間、この公園が母国ウズベキスタンにある「ムスタキリク広場」いわゆる「独立広場」を思い出させることについて考えていました。沖縄の平和記念公園とウズベキスタンの独立広場の間にはいくつかの類似点がありますが、私が気づいたことを書く前に、母国の概要を簡単に説明します。
ウズベキスタンは中央アジアに位置する、人口約3,300万人の国です。沖縄と同様、ウズベキスタンにはおいしい料理、ユニークな文化、興味深い歴史があります。 ウズベキスタンが独立国になる以前、ソビエト連邦の15か国のうちのひとつでした。さらに、他の多くの国と同様、私の祖国も沖縄も第二次世界大戦に苦しみ、その期間中に民間人と軍人双方の多くの人々を失いました。
1991年に独立を果たした後、ウズベキスタン政府は独立の証となる、国の歴史を将来の世代に思い出させる独立広場を設置しました。12ヘクタールの面積に、ウズベキスタンの平和と幸福を表す多くの木、花、噴水があります。広場の入り口は、16本の大理石の円柱によって装飾され、頂上に平和と静けさを象徴するコウノトリが彫刻された橋によってつながれています。
広場の中心となるのは、ウズベキスタンの地図が描かれた地球の形の独立記念碑です。独立広場はもうひとつ名声と記憶の路地によって構成されています。路地は戦争で亡くなった兵士を称える記念碑です。名声と記憶の路地の両側には、第二次世界大戦でウズベキスタンのために亡くなった人々の名前が刻まれた金属の本が、ギャラリーになっています。この戦争では、約100万人の兵士が戦い、そのうち40万人が戦死しました。ギャラリーの最後には、失われた人々のために永遠の記憶を象徴する、消えることのない火の輪を前にして嘆き悲しむ母親の像があります。毎年、独立記念日（9月1日）、および「戦勝記念日」（5月9日）やその他の祝日に、ウズベキスタンの人々は、平和で青い空の記憶と感謝を讃えて、嘆き悲しむ母親の像に献花をします。
結論として、ウズベキスタンと日本は異なっていると同時に、似たところのある国だと言えるでしょう。 違いが文化、言語、習慣に起因するものだとするなら、類似点は、両国が自国の歴史、祖先、平和、幸福をいかに高く評価し尊重しているかにあります。
