マラクボーゾヴァ・ムニラ

 今回の旅では、日本で最も優れた大学の一つ、札幌の北海道大学を訪問する機会がありました。北海道大学は、大学院の研究に特に力を入れているトップクラスの大学です。もし、札幌を訪れる機会があれば、北大の象徴であるこの場所をぜひ訪れてみてください。東京ドーム約38個分の約12,000平方メートルの敷地に、緑豊かな美しい庭園が広がっています。人口200万人の都心に、これだけの規模のキャンパスがあるのは世界でも珍しいことと思います。驚くべきことに、広大なキャンパスのうち建物が占める割合はわずか12%で、残りは農場、庭園、森林、小川、小道などのオープンエリアとなっています。
 北大は日本を代表する大学としてだけでなく、北海道を代表する観光地としても人気があります。その庭園を歩いていると、穏やかな雰囲気とアカデミックな雰囲気を感じました。北海道大学に限らず、日本の大学で驚いたことの一つは、大学の敷地や自然が誰でも利用できるようになっていて、自分の好きな場所でピクニックやバーベキューを楽しむことができることです。北海道大学は、札幌の街の鼓動を感じながら、その歴史や文化、発展を知ることができる素晴らしい場所です。

 北海道大学は1876年に設立され、当初は札幌農学校という名称で、日本初の近代的な学術大学としてスタート、現在に至っています。その後、帝国大学、新制大学として繁栄してきました。この大学の主な目的は、研究活動に重点を置き、世界水準の教育を人々に提供することです。この大学は、教育への貢献とその発展のための世界的な中心地となることを目標としています。また、北海道大学は、さまざまな分野での深い知識とその活用を向上させ続けています。

 北海道大学では、「開拓者精神」「国際的視野」「全人教育」「実学」を基本理念として、教育活動が行われています。「まず「開拓者精神」とは、北海道大学で学ぶ学生や教員一人ひとりが、自分たちの世代の問題解決に責任を持ち、未来に向けて未踏の道を歩む使命感を持つということです。次に「国際的視野」とは、地球市民であること、つまり、異文化・伝統の理解、コミュニケーション能力、外国語能力を継続的に高め、国際社会に貢献することを指します。「全人教育」とは、専門的な知識を活用しながら、力強く影響力のある意思決定ができるように、学生にリベラルアーツ教育を提供することを意味します。最後の4つ目の「実学」は、研究の推進と世界共通の学びの創造、研究の応用と実用を重視し、研究成果を社会と共有することに重点を置いた知識の獲得など、いくつかのことがテーマとして掲げられています。

 さらに、キャンパス内を散策し、北海道大学総合博物館を訪れることができたのも、素晴らしい経験でした。ここは、像や古い物がある普通の博物館ではなく、北海道大学の使命、過去と現在の研究成果を伝える資料、物品、オリジナルの資料や映像メディアが展示されており、私は本当に驚かされました。北海道大学には、20年以上前に北海道大学総合博物館が設立されて以来、多様な研究業績があります。今回は幸運にも、大学の最先端の研究を物語る原資料や映像メディアを見ることができました。

 この博物館の一角には、北海道大学で学び、2010年に世界で初めて「鈴木・宮浦反応」を起こしてノーベル賞を受賞した、世界的に有名な化学者である鈴木章氏の記念館があります。このほかにも、大学の歴史に名を残す卒業生がいます。明治時代の作家で知識人の内村鑑三、「武士道」の著者で元国際連盟事務局長の新渡戸稲造、クラシック音楽やゴジラなどの映画音楽を作曲した伊福部昭、75歳でエベレスト登頂を果たしたアルピニストの三浦雄一郎、科学者で日本初の宇宙飛行士の毛利衛などです。
 また、ホルスタイン牛の骨格標本やマンモスの実物大模型など、見逃せないコーナーがいくつもあります。標本以外にも、人の足音に反応する地震計など、興味をそそられるものがたくさんありました。また、標本を触ることができる体験型の展示室や、主要な研究が行われている実験室もあります。この博物館は、5年前に大規模な改修を行い、一般公開を開始したばかりだそうです。現在では、北海道大学12学部の最新の研究成果が展示されています。

 最後に、今回の研修旅行が私にとって特別なものとなったのは、旅行や見学、豪華な施設への訪問だけでなく、パンデミックによって長い間孤立していたNipCAフェローたちが初めて一堂に会したからだと
感じています。旅行を通じてお互いのことをより深く知ることができ、楽しい思い出となりました。