2023年2月21日(火)、2022年度新入生に贈る特別連続公開講演会を開催いたしました。2021年度の第1回に引き続き、第2回もカリフォルニア大学サンディエゴ校から當作靖彦教授を講師にお招きし、「混迷と変革の社会で成功するために:今、大学時代に何をすべきか」と題する講演をしていただきました。

言語習得論と外国語教授法をご専門とされている當作先生は、カリフォルニア大学サンディエゴ校で言語学博士を取得され、現在は同大学のグローバル政策戦略大学院で教鞭をとっておられるほか、日本や中国、韓国、ベトナムでも客員教授をされていらっしゃいます。アメリカを代表する日本語教育学者で、昨年は日本政府から文化功労賞を受賞されました。今回のご講演では、大学時代に何をすべきかというテーマで、成功のための準備の重要性について語っていただきました。

現代は混迷と変革の時代で、成功するためには単なる知識の習得だけでなく、問題解決能力やイノベーションを起こす力が求められています。また、AIの進化に伴い、ホワイトカラーの仕事も機械に代替される可能性が高まっています。そのため、さらに人間的なソフトスキル(問題解決力、批判的思考力、創造力、忍耐力、協働力、コミュニケーション能力、適応力、自己統制力、実行機能など)が重視される時代が来ています。

専門知識が陳腐化する速度が増す現在、大学で学ぶ価値を問い直す必要があります。大学は知識を提供するだけでなく、新しい人間や新しい考えを創出する場所です。特に、大学院レベルでは新しい理論や考えを生み出すことが期待されます。大学時代に多様な経験を積み、異なるバックグラウンドを持つ人々と交流し、様々なソフトスキルを身につけることが重要です。たとえば、在学中に、できるだけ日本と異なる地域に留学すること、また、大学に多数いる留学生たちと交流を深め、共感を深めることは、創造力や協働力を高めていくことにつながります。筑波大学にはそのための良い環境が整っています。

激動と変革の時代が続く今の時代には、不安を感じることも少なくありません。今の自分に疑問や不安を感じたら、それは「変化せよ」という心の声です。この不安を未来へ向かう原動力として捉え、チャンスが来たときに、それをつかめる自分でいられるよう、絶えず自己変革を目指すことが重要だとのお話でした。