アルティンベク・キジ・チョルポン

 

冬のアクティビティで知られるニセコ町は、今は夏期も観光客を惹きつけるアクティビティ開発に力を入れています。そのひとつがニセコダチョウ牧場です 

牧場を訪れると、オーナーの氏家健太さんが出迎えてくれました。氏家さんの祖父が30年ほど前にこの牧場を始めたといいます。氏家さんがダチョウについて熱く語る姿からも、家族で大切に牧場を営んでいることが伝わってきました。特色として、この牧場では観光客がダチョウにエサやりをすることもできます。

現在生息している鳥類の中では、ダチョウが最も大きく、体高は約2.3m、体重は150kgです。卵の重さはほぼ1.5~1.9キロで、鶏の卵の30倍にもなります。

ダチョウは雑食性で、草、葉、植物の種子、昆虫など、さまざまなものを食べ、さらに腸が長いため食べ物の消化が非常に早いです。それを生かしニセコダチョウ牧場では、牛や馬があまり食べない種類の雑草をダチョウが食べることで、良質な牧草地を残しつつ、更にダチョウの糞で畑を肥やすことができます。

また、氏家さんと話しているうちに「もったいない」という言葉を知りました。この言葉は一般的に、あるものがその価値を引き出すことなく無駄になってしまったときの後悔の念を表すのに使われますが、近年、この言葉は資源や環境に関する地球規模の問題に対処するためのキーワードとなっているようです。例えば、ニセコでビールを製造している地元企業は、商品の売れ残りをダチョウに与えているそうです。売れ残りは処分するのに税金を支払わなくてはならないため、企業にとってこのダチョウとの関係はWin-Winになるようです。